「私も先生がいなかったらなんて思わないよ。先生に出会えてよかった」

目を細めて笑った拍子にまた涙が流れてきて。

閉じた目の細い間からなのにこんなにたくさんの涙が溢れてる。


「私、あの時先生に声かけてもらえなかったらほんとうに落ちてたかもしれない。先生が私を助けたんだよ。先生は強くなれてるよ。先生の行動が示してる」


伝えたかった。今。どうしようもなく伝えたい。

だいすきなひとを見て笑う。


「先生……出会ってくれてありがとう……」


私今笑えてるかな……?ちゃんと笑えてる……?

頬、全然痛くないよ。



先生が右手で顔を覆った。

「ご……めん……泣く…………」

「うん、いいよ」



先生は私の肩に寄りかかって静かに涙を流した。


「ずっと苦しかったね……つらかったね……っ」

「…………っ」

「先生、がんばったんだね……」


ぜんぶぜんぶ先生が言ってくれた言葉だよ。

過去の先生がいて今の先生がいる。過去の先生がいなかったら今の先生はいない。

そして今の先生が私は迎えることができない未来へと続いていくんだ。