「先生はなんで先生になったの……?なんでわざわざ戻ってきたの?つらいのに。どうして一番くるしい場所にいたの?」


シーンとした部屋に私の声だけが響いている。

先生は何も言わない。でもわかる。わかるよ先生。


「美咲さんのような子を増やしたくなかったんでしょう……?嫌だったんでしょう……?だから私に話しかけたんじゃないの……?」


私に何ができるだろう。私の背中を押してくれた先生に何ができるだろう。

どういう言葉を投げたら喜んでくれるだろう。

わからない……わからない。

過去なんてぜったいに変えられなくて。痛感してきたからわかる。過去のことに軽々しく口だしなんてできないけれど。


でもね……。



「先生は弱くなんてないよ、先生が笑ってても不愉快なんて思わないよ、先生は全然クールじゃないよ」


先生は弱くなんてない。歩生さんたちに呼び出された時怒鳴ってまで助けにきてくれた。評判が良い下がってしまうかもしれないのに「大丈夫だよ」って笑ってた。