戻ってきてと声を枯らして泣いても。

あの時に戻れと願っても。

現実は変わらない。


私は心に誓った……ぜったいに笑ったりしない。

泣いたりしない、楽しんだりしない。

ずっと罪を償い続けようと……。

ひとりで生きていくと……。

そして二度と音楽に触れないと……。


「あの日から一年……」

「あの日から二年……」

「あの日から三年……」

ニュースを見る度に追い詰められて。

みんなの前に姿を出せない私は花を供えることしかできなくて。


責め続けている……今も。



高校に行こうとしたのは、"ふつう"になりたかったから。少しでも。

入学が決まった後に難病と診断されて、罪を償うためだと思った。

だから、無理矢理受けとめて。

変人扱いされても、あと少しだからって言い聞かせて。


私の心の時計は"あの時"で止まったまま……。

ずっとずっとひとりだった。





すべてを失った私の前に現れたのは先生だったんだ──────。