そうして迎えた"あの日"

私は朝早くから練習をして、シュミレーションをして。

慌ただしい朝。


準備万端にして胸のドキドキを抑えて待っていて。

ステージの端からちらりと見た時、ちらほらひとがいたけれど、いつもより少ないことに気づいた。

時間も時間だと思い、気に留めず、練習をして待つことにした。


だけど、しばらく経っても空席が埋まることはなかった。

だんだん平常心は保てなくなり、不安だけが募っていく。

なにもわからない状況なのに、不安だけが積もり積もっていく。


練習の時とは違う胸のドキドキが私を支配した。



『大変だ!!!!!!!!!』

ひとりの男性がホール中に響き渡る声で叫び始め、それまで席に座っていたひとたちが外に見に行った。

いわば、野次馬というやつ。



私も同じく外に出た。その時の光景はずっと忘れられない。

13歳の目に映った"あの日"のこと。