「私はあなたの何ですか?」

俺を見つめるその顔は暗くて見えなかった。
そして涙がぽとりと下に落ちる音がする。

「俺は…」

何を言ってたんだろう。でも口は動いていても声は聞き取れなかった。








―ピピピピピピー!
雑音が俺の耳に入り、ハッと目が覚める。
目覚ましに手を延ばし音を消す。

「はぁ夢か…」

溜め息を吐く。

この頃俺はこうゆう夢を見る。出て来る相手は全部同じ女の子。でも毎度シチュエーションは違っていた。

「まぁいいか…」

たかが夢だ…。
そんな風に思い、部活に行こうと鞄に手をかけた。
その瞬間だった。

―ブゥン…

鈍い音が鳴りいきなり周りは暗くなる。
突然の事に俺はまだ夢を見てるのかと錯覚する。

「これは…現実…夢ではありません」

まるで俺の心に語りかけるかのように何処からか声がした。