「莉緒は、メイクやオシャレが大好きなの?大切?」

しょんぼりする私 あたしに、先生が話しかけてくる。あたしは立ち上がって「当たり前!」と言った。ちょっと今は怒ってる。

「だって、あたしは先生と付き合ってるんだよ?好きな人には可愛いって思われたいじゃん……」

「ごめん、ごめん」

チュッ、と部屋に優しい音が響く。先生があたしにキスをしてくれたんだ。あたしは「もっとして」と言い、何度もキスを繰り返す。

二人の息が荒くなって、唇はようやく離れた。苦しいけどすごく幸せ。

「莉緒はオシャレを楽しんでいるけど、昔はオシャレって命がけだったんだよ」

あたしから離れた先生は、一冊の本を取り出しあたしの隣に座る。そして、ページをめくった。英語で書かれているから何て書いてあるのかわからない。

「何て書いてあるの?」

あたしが訊ねると、先生はニコッと笑った。

「見に行かない?昔のオシャレについて」

「面白そう!」

あたしは先生の大きな手を取り、立ち上がる。昔のオシャレと聞き胸がわくわくする。