「メモ渡してくれてありがとう。この部屋なら好きなだけイチャつけるね」

この部屋は、あたしと先生意外入れないようになっている。だって、先生はーーー。

「……莉緒」

先生はあたしを離し、あたしを見つめる。そんな真剣な目で見られるとますますドキドキしちゃうよ。

先生の手が私の頰に触れる。胸が高鳴って、頰が赤く染まるのがわかった。先生が顔を近づけてくる。あたしはギュッと目を閉じた。キスしてもらえる!

「こら、校則違反だぞ。メイクしてるだろ」

二人の唇が触れることはなく、先生はそう言った。あたしはお説教が始まったことに残念だと感じる。せっかく二人きりなのに……。

「アクセサリーやメイクもして、スカートもそんなに折り曲げて!今は冬なのに!!」

「先生、オシャレに妥協できないよ。オシャレしなかったら死んじゃう〜」

「死ぬわけないでしょ」

先生からメイク落としを渡され、あたしは渋々メイクを落とし始める。あ〜あ、せっかく頑張ったのに……。