「せ、先生……!これって何の拷問?めちゃくちゃ苦し……」

ウエストが異常なくらい締め付けられて、息が上手にできない。ヤバイ、死ぬ……。

先生がその場に倒れそうなあたしを支え、魔法を解く。すると締め付けられる感覚がなくなり、あたしの服は制服に戻った。

「当時の女性は、コルセットをきつく締めれば締めるほどいいとされていたんだ。しかもコルセットはこの時代は一般的だった。でも、このコルセットは女性の体に恐ろしい損傷を与えたんだ。ある女性は、亡くなった時に肝臓に肋骨が三本刺さっていて、別の女性は心臓にコルセットの一部が刺さっていたらしい」

おしろいよりも怖い話にまた背中がゾッとする。だって、目の前にはウエストをこれでもかというほど締め付けた豪華なドレスを着た女性が歩いているんだから。

「コルセットのせいで、内臓に骨が刺さったり内臓が潰れたりするのは仕方ないことだったんだよ。さらに、女性たちはコルセットのせいで血行不良や失神に悩まされていたらしい」

「そこまでして細くなりたくはないかな……」