……今こいつ、なんて言った?



いつも来てたんじゃないの?



全部見られてたってこと?



もうとっくにばれていたってこと?



リサ達も知っていたってこと?



振り向くと、笑っていた。



「え、まじで?

俺、鎌かけただけだったのに。

本当にそうだったんだ、へえー」



なんだ、こいつ。



やけに嬉しそうにへらへらしているのもむかつく。



わざと音を立ててドアを開けると、また話しかけられた。



「斉藤さんってけっこうやること激しめだよね。

三村の前で自分の本びりびりに破いたり、体操着にハサミ入れたりして」



我関せずという様子で見ているやつにだけは言われたくない。



ドアを閉めると、心の底から怒りが湧いた。



見ているなら何か動けよ。



何もしないで見ているやつほど腐ったやつはいない。



教室に入っても、今はいじめられるだけだ。



それでも今は構わない。