昨日の風邪が嘘のように元気になった。



体も軽いしお腹も空いた。



やっぱり元気がいちばんいい。



お母さんの用意してくれたトーストにかぶりつく。



わたしが風邪を引いたからか、今日は遅れて仕事に行くみたいだ。



まだゆっくりとコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。



「あんた昨日風邪引いてたならお母さんに言いなさいよ。

元気だと思ったから仕事行っちゃったじゃない」



新聞を畳みながらわたしに忠告をする。



「学校行ってから具合悪いって思ったから」



「あんたいつもそうじゃない。

一応1人で帰ってこられたみたいだから良かったけど…。

これからはちゃんとおかしいと思ったら言いなさいよ。

体調と勉強、どっちが大事なの」



「分かってるよ。

あ、もう行かないと」



「気をつけるのよ」



「うん」



残りはジュースで流し込んで、歯を磨いて顔を洗って、鞄を持って家を飛び出した。