昼休みになると、わたしは荷物を全て持って屋上に行く。



わたしが屋上で食べていることは誰も知らない。



鍵がセメントで固められてしまっているから開かないものだとみんな思い込んでいる。



でも、1年の時にひとりで放課後に学校の中を歩き回っていて、試しにドアノブを回してみたら、開いた。



それからすぐに昼ごはんは屋上で食べることに決めた。



高校に上がって早々にいじめが始まったからちょうど良かった。



空を見ると、朝と変わらない真っ青が広がっていた。



まだ夏が終わったばかりで陽は高いし少し暑い。



風が吹くと気持ちいい。



この前染め直した金髪がさらわれる。



陽に透かしてみると、きらきらとした。



思ったよりも馴染んでいて嬉しい。




お弁当の蓋を外すと、中身がほとんど無くなっていた。



ゴミ箱に捨てられたのだろう。



こういうことはたまにあるからお菓子はいつも多めに持っている。



チョコやグミといった砕けにくいもの限定になるけど。



クッキーを持っていった時は砕かれて、頭上で中身をぶちまけられた。