……薬品臭い。



……病院?



目を覚ますと、よく寝た気がした。



……何時だろ。



「……嘘でしょ」



とっくに授業が終わっている。



もう部活の音も聞こえる。



……そうか、学校か。



昼休みにリサに空き教室に連れて行かれて、……そのあと、いざこざがあって、……それから殴られて気絶していたのか。



最悪だ。



リサ1人のせいでわたしの皆勤が消えるなんて馬鹿馬鹿しすぎて腹が立つ。



これまでの頑張りの責任も取れないくせに。



「斉藤さん、起きた?」



「痛っ!」



「そんなに驚く事じゃないだろ。

気絶したらしいね。

先生びっくりしてたからな、女子同士であんなに殴られるなんて」



「意識飛ぶまで殴られたのは初めてだった」



「でも顔とか見えるところは殴ってこないあたり卑怯だな」



「うん」



「荷物は持ってきたから」



「先生が?」



「……まあ、そんなとこ」



「変な所は気を遣うとか訳わかんない」



「……とりあえずゆっくりしていていいって」