……そういうことか。



リサの言うヨウスケは、あの陽介だ。



青木陽介だ。



わたしにいつも付きまとってくる。



お門違いもいいところだ。



どういうことか理解出来た瞬間に全てが馬鹿馬鹿しくなった。



くだらない、恋のいざこざなんて。



解決ならその2人ですればいいのに。



わたしにその鬱憤をぶつけるような迷惑なことだけはやめて欲しい。



ドアを開けて教室を出ようとしたら、後ろに引っ張られた。



そのままカノンがドアを閉めてしまった。



「何勝手に出ようとしてんだよ!

調子乗んじゃねえ!」



その直後、お腹に激痛が走った。



「……っ!」



痛い。痛すぎる。



起き上がれない。



頭もなんでか重たい。



「どうしてあんたがっ!

あんたなんか!

あたしの方がよっぽど……!」



ふと、この前読んだ本を思い出した。



主人公の同級生が、恋って麻薬みたいなもんよ、と言っていたのが理解出来る気がする。