「……とりあえず、今回のことはご両親には報告はしません。

反省文を書いて、三村さんにきちんとした形で謝罪をしてください。

いいですね?

……反省文は明日の朝、ホームルームが始まる前に提出してください。

……じゃ、帰っていいですよ」



ドアを閉めると失望と呆れが出てきた。



こちらの意見なんて聞く気がない。



話題も都合のいい方にすり替えられて完全にわたしが悪いことにされてしまった。



反省文なんて書いても意味がない。



忘れ物がないかの確認のために教室に戻ると、そいつが笑っていた。



「斉藤さん、やっぱり面白いわー。

あんなところでパンを投げるなんて普通誰も考えないから。

食べ物もったいないだろ。

それに俺お腹スッカスカなんだけど」



「もったいなかったけどリサにむかつくんだよ。

あの媚びるような態度とか、先生を味方につける態度とか」



「むかつくなら言い返せばいいだろ。

あ、喋りたくないんだっけ?なんで?」



「……意味無いじゃん」



「なんで意味無いって決めつけるんだよ」



「なんだっていいじゃん!

わたしの言葉は誰も信じてくれないんだよ!」