思い出すと、あの日の辻褄が合う気がした。
あの日だけ、授業で必要だからと問題集を持って行った。
それをリサ達は分かっていたからあえて問題集を盗んでわたしが授業で困るようにした。
問題番号も言われなかったしどこをやっているのか分からなかったから諦めてわたしは授業を聞いていなかった。
それを、こいつは見ていた?
「……見てたの?」
「さあ。でも何となく予想は出来るし」
「……たぶん、当たってる。
持って行ったこと自体が馬鹿だったんだよ。
授業もしっかり聞いておけばよかったのかも」
あまりに馬鹿らしくて笑える。
わたしには学習能力が無いのか。
「ありがと」
「言えるじゃん、しっかり」
「あ……」
ごく自然に感謝をしていた。
やっぱりこいつといると調子が狂う。
「帰る」
「また明日」
「……」
明日なんかこんな所に来ている場合じゃない。
馬鹿じゃないの。