はあっ、と大きなため息がした。



もしかして、空気を読んだのだろうか。



「やっぱりだめか」



当たり前だろ、と思ったけれど反論する気も起きなくて鞄の中身が無くなっていないかを確認していると、衝撃の言葉が飛んできた。



「今日はさすがに急か。

じゃあ明日教えてよ、よろしく。

初日は数学だから数学な」



「何言ってんの、馬鹿じゃないの」



そいつ以外誰もいないからそれだけ返事をした。



行かないという意味なのにやたらと嬉しそうだった。



イエスかノーかだけは、はっきりさせないといけない。



少なくともわたしは意思表示をした。



これを了解したと考えたなら相当なアホだ。



「また明日」



「……」



アホじゃん。



こいつなんかにペースを乱されてたまるか、ともう一度無視して学校を出た。