「なんだよ、喋れるんじゃん。

言葉で対抗すればいいだろ」



「うるさい、こっちの勝手じゃん」



「なんで喋らないんだよ、いつも黙って物壊したり机叩いたりして」



「関係ない!黙れ!

出て行け!」



「斉藤さん、こわ」



余裕ぶった態度もさらにわたしの神経を逆撫でる。



どうしていつもこんなにめちゃくちゃになるんだろう。



未開封の菓子パン1つと口にくわえられたコッペパンを掴み取ってドアを乱暴に開け、廊下に投げ捨てた。



「拾って出て行け!

いられると迷惑!邪魔だから!」



じっと目を見つめると、大笑いされた。



「ははははっ、斉藤さん、そういうキャラなんだ。

おもしれー。

でも俺はここにいたいからいるよ」



「はあ?とっとと出ろ!」



廊下に出た瞬間にわたしはドアを閉めた。



鍵を掛けようとした寸前でドアが開いた。



「邪魔だから!……っ出ろっ!

出ろ出ろ出ろ出ろっ!」