けれども、足音はどんどん近づいてくる。
リサ達が見つけた?
だとしたら明日からここにわたしは連れて来られる。
こんな所でいじめられたらどうしようもない。
足音が止まった。
間髪入れずにドアが開けられた。
「あ、いた」
……最悪。
こいつにも見つかりたくなかった。
リサの方がまだ良かったかもしれない。
「あの後から屋上に来なくなっちゃっただろ?
俺必死で探したんだよ」
こっちは必死で逃げていたんだけど。
「隣借りるから」
許可も取らずに図々しいくらいに菓子パンを広げ始めた。
「でもまさかこんな所にいるなんて誰も思わねえよ。
足が痛くなるし疲れるし。
あ、今日も派手にやってたな、雑巾。
よくいじめるやつにあんな態度取れるよな、凄すぎるわ」
「……馬鹿にするな」
「……え?
い、今喋った?」
……完全に失敗した。
最悪だ、やらかした。
こいつが来ると調子が狂う。
「だから何?」
菓子パンを突っ込んだ顔がいちいちうざい。