「ちょっとリサー、似合いすぎなんだけど」



「黒板拭いた雑巾じゃない?」



「えー汚ーい」



「でも斉藤のハンカチはあの雑巾でいいんだよ」



「不潔だなー」



うざい。



頭から雑巾を剥ぎ取って、床に叩きつけた。



汚い水が床の木目に染み込んでいく。



わたしには片付けてやる義理なんかない。



トイレに入って頭を洗いたい。



洗面器に頭を突っ込んで毛先までしっかり洗った。



ゴムは持っていないからよく絞ってそのままで教室に戻った。



「まじでむかつく。

少しは喋ったら?」



ドアを塞ぐリサ。



こんなことをする暇があるなら勉強すればいいのに。



「ほらーチャイム鳴りましたよ。

三村さん、朝から元気過ぎるわよ」



「えーそうですか?

あたしこれでも結構疲れているんですよー」



「さ、授業を始めますからね、斉藤さんも入りなさい。

そこにいつまでも突っ立ってないで」



誰もあてにならないな、こんな所。



皆勤賞がなければさっさと辞めてやるんだけど。