「さすがにやばいでしょ」
「何か言えよ!」
「謝れよ!」
「謝罪も出来ないクズか」
「ていうか斉藤さん本当に話せないんだ」
「何も言わないなら、ねえ……」
「まじで有り得ない」
「ひっでー」
「学校来る意味無いでしょ」
「何しに来てんだろ」
「つーか謝りもしねえとか」
「まじ論外」
ひとりじゃ何も言えないし出来ないくせに、集まればこんなに言いたいことを言えるやつらなんだ。
どっちが酷いんだよ。
何もなかったかのように黙って座ると、また視線がわたしに集中した。
誰もがわたしの次の行動に注目しているのが分かるけれど無視してやるだけだ。
わたしはあんた達に構っているほど暇じゃない。
ノートに目線を落としたところで現代文の先生が入ってきた。
ああむかつく。
あのピンボケしたような顔も、周りの目も、屋上に侵入したやつも、みんな嫌だ。