ジーニアの首にパルの武器が触れていた。丁度、刃の部分が触れており少し動けば斬れてしまう状態だった。王女の怒りを間近で見て反応が遅れてしまった自分を悔やむ。

「悪い。もう我慢の限界だ」

「ダメ。感情に任せて傷付けてはダメ」

「私を助けるの?お人好しも良い所ね」

パルが腕を引いて頭を斬り落とそうとした時、俺たちの後ろにいたはずの王女がパルの腕を掴んで武器を下ろさせていた。どれだけ怒りを感じていても王女は王女なんだと安心してしまったけれど、ジーニアには反省の色が見られない。命を助けてもらったにも関わらず、鼻で笑ってバカにしていた。