それに……男性恐怖症を克服したら、一緒に帰ることもなくなるのかな……。

 そう考えると、寂しくなった。

 って、また勝手に考えて寂しくなって……私、女々しいなぁ……。

 もっとポジティブに考えないと……!

 自己嫌悪を払拭するように、首を左右に振った。

 日誌を持って、席を立つ。

 職員室に届けて、早く帰ろう。

 水曜日はマキちゃんと響子ちゃんと遊んで帰ることが多いけど、今日は2人とも恋人とデートだと言って教室を出ていった。

 家に帰って、明日の小テストの勉強でもしようかなぁ。

 そう思っていた時、「姫乃さん!」と名前を呼ばれた。

 振り返ると、そこにいたのは同じ日直の男の子……確か名前は、清水くんだったはず。