「恐怖症克服って本気だったのね……」

「ま、大丈夫ならいいんだけど……」



 何か言いたげな2人に再び首を傾げた時、予鈴を知らせるチャイムが鳴った。

 みんな自分の席に戻っていって、私もホームルームが始まるまで日誌でも書こうとペンを取り出した。

 ふふっ、克服の日も近いかもしれないっ。

 ……でも、もし克服したら、まさくんはもう私といてくれなくなるかな……。

 まさくんのお荷物になりたくないとは思ったけど、一緒にいる時間が減るのは寂しいな……。

 考えるだけで、寂しさと虚しさに襲われた。

 け、けど、これでいいんだ……。

 まさくんを私のお守りから、解放してあげなきゃ……。

 そう自分に言い聞かせるように、ペンを持つ手に力を込めた。











 その日は、休み時間やお昼休憩の時間にいろんな男の子と話すことが出来た。