カフェの明かりは消えていた。


でも、たまに高岡さんは遅くまで
カフェで読書や作業をしたりすると
言っていたような…


ダメ元で入り口のレバーハンドルに
手をかけるとすっと下がった。


扉のガラスの装飾品が音を立てない
ようにそっとドアを開ける。


確か、荷物を持ってお店を出る前に
カウンターが汚れている事に気づき、
拭き掃除をした。


だからカウンターにあるはず…


見つけた財布を握りしめて
店を出ようとした時に
背後に人の気配を感じた。