気づけば終点だった。


涙の跡がついたスマホを、
バッグに入れて立ち上がる。

俯き加減で、2人組の女性の後に続き
電車を降り駅を出た。


まだ少し涙で濡れている頬を、
ひんやりとした空気が刺す。



これからどこに行こうか。



そんなことを考えていると、
目の前を白いものが横切ってゆく。