心の中に広がる罪悪感を消すように、 スマホの電源を落とした。 そんなことで消えるはずがない、と 自分に呆れた時、車内に女性の 笑い声が響いた。 スマホが鳴り止まなかった時、こちらを 見ていた女性二人組だった。 手を叩いて楽しそうに笑う女性は、 どことなく雰囲気が春乃に似ていた。 もう一人の女性は、目尻を下げ、 口元を手で押さえながら、 静かに笑っていた。 そんな正反対な二人を、無意識に 私と春乃に重ねてしまう。