血のついたワンピースが入った袋を
気にしながら、バッグの底へ手を入れ、
スマホを取り出した。



着信画面には、株式会社 TOHDO 専務
と表示されていた。


すぐに拒否ボタンを押した。


ホーム画面へ戻る。

壁紙は初期設定のままだった。



メッセージアプリの右上には、未読の
メッセージ数が "2"と表示されている。


アプリを開くと、父親からの
業務連絡がきていた。


開かずに、私とのトーク画面の
すぐ下にある、春乃とのトークを
タップした。