それから私達は、数ヶ月の間に
何度もデートを重ねた。

初めてデートをしたあの日と変わらず、
食事をして少し歩きながら話をして
帰るという流れだった。

いくつか気になることがあったが
気にせずデートを続けていた。


今日、6月20日は私の24回目の
誕生日だ。

初デートの時と同じ高級レストランの
前で、私は彼を待っている。

カフェでの仕事を終えて一度帰宅し、
時間をかけて身支度を整えた。

今までデートはブラウスにスラックスを
合わせるシンプルな装いが多かった。

今日は母が成人祝いに買ってくれた
ノースリーブの白いワンピースを選んだ。

胸とお腹、そして背中には色鮮やかな
花柄の刺繍が散りばめられ、
ウエスト部分はきゅっと細くなっており
スタイルがよく見える。

白い膝下までの丈の生地の上に、
上品に白いレースが重なっている。

いつもはひとつ結びの髪をほどいて、
櫛で梳かしてからおろし、
母の形見の押し花が閉じ込められた
イヤリングをつけて
メイクを綺麗に直して…

どうしてこんなに気合いを入れて
丁寧に準備しているのかと
疑問を持ちながら支度を終えた。