「美樹、好きな人いる?」

それはある日突然、
桜都が美樹に投げかけた問いだった。

「、、いるよ。」

と、美樹は答えた。

桜都は驚いた。

桜都と美樹は仲が良かったけれど、
いつも美樹は自分のことを話したがらなかった。

それは美樹が桜都のことを信頼していないとか
そういうことではなくて、
美樹がただ話したくないだけなのだと
桜都は分かっていた。

理由は分からなかったけれど。