名簿順で決められた席に行くと、
桜都の席には先着がいた。

髪が長くてくるくるしてて、
お人形みたいな子。

思わず桜都は、その子に見とれていた。
すると、

「あっ、ごめんなさい。席間違えちゃった。
私、美樹。篠原美樹です。
よろしくねっ、桜都ちゃん!」

えっ、と思った。

どうしてこの子は自分の名前を
知っているのかと。

けれど桜都が聞かない間に彼女は答えた。

「さっき座席表見たの。
私の前の席“篠沢”さんだったから、
なんか似てるな〜って思って!」

そう言ってにこっと笑ってから、
彼女は桜都の後ろの席に座った。