春になって、時雨は中学生になった。

美樹はもともと地元の中学校に通っていたので
学校は別々だったけれど、
家に帰ってきてからは時間がある限り
時雨は美樹に、会いに行った。

それでも美樹は寝ている日が多かったけれど、
起きている日に

「調子はどう?」

と聞くと、美樹は必ず

「全然!ピンピンしてる!」

なんて言って笑ったから時雨は
安心していた。