桜都はこうして、時雨とまた会える日を願った。

何日も、何ヶ月も、何年も。

けれど、会えることはなかった。


そのうち桜都は、時雨の存在を
思い出へと形を変えていった。

十歳の頃の、素敵な初恋として。




ときどき時雨を思い出して、
また会えるといいななんて思うことも
あったけれど、もう期待はしなかった。