4ヵ月後ー。
 あたしは、無事、K大に合格した。
 合格をもらった、あたしの足は、自然と動き出した。
 そう。
 報告する為、すぐに、あの並木道へと向かった。
 そこには、あたしを待つ、ゆうの姿があった…。
 あたしは、息を切らし、肩で息をし、両手を両膝についた。
 「はずきちゃん…!!」
 そんな、あたしを見て、ゆうは、叫び、転けそうになりながら、駆け寄ってきた。
 「大丈夫?!
はずきちゃん!!」
 ゆうは、両手で、あたしの肩をぎゅっとした。
 あたしは、まだ、息が荒かった。
 でも、早く伝えたくて、息を切らしながら、ゆうに微笑んだ。
 「ご…、合格しました…。」
 ゆうは、それを聞き、自然と涙が零れた。
 「ご…、合格?!
おめでとうっっ!!
はずきちゃんっっ!!」
「それだけじゃないんです…。」
「え…?」
「特待生にも選ばれました…。」
「本当に?!
はずきちゃん、凄いよっっ!!」
 ゆうは、自分のことのように喜んだ。
 「はずきちゃん、俺、今度の日曜、お店休みなんだ。
はずきちゃん、どこか行きたいとこある?
どこでもいいよ?
食べたいものでも何でも。
合格祝いさせて?
ダメかな?」
 あたしは、横に首を何度も振った。
 「じゃあ、決まりっ!!
日曜日の朝8時にここで待ってる。」
「はい。」
 あたしは、頬が赤くなっているのに、気付いた。
 「(あたし…、ゆうのこと…。)」
 あたしは、自分の気持ちに気付いてしまった…。
 「(迷惑…かな…?)
(日曜日だけ、特別…。)
(日曜日が終わったら、さよならしよう…。)」
 あたしは、そう、心に決めた。
 この日の夜ー。
 家では、盛大に合格祝いをしてもらった。
 「はずき、おめでとう。
ママ、とても嬉しいわ。」
「ありがとう、ママ。」
「パパもだ。」
「ありがとう、パパ。
あのね、パパ、ママ。」
 両親は、あたしの方を見た。
 「今度の日曜なんだけど、友達の家に泊まってもいい?」
「あら、誰のお家?」
「ゆう。」
「ゆうちゃん?
いいわよ?
ねぇ、パパ。
受験も終わったし。」
「ああ。
構わないよ。
楽しんでおいで。」
「(本当は、ゆう君なんだけどな…。)
ありがとう。」