「みんなこっち見て~」

瞬くんの掛け声に子供達が振り向く。
カシャリと小気味いいシャッター音がした。

「うん、いい笑顔だ」

瞬くんが満足そうに言うので私も子供達を見る。みんなニコニコしていて本当にいい笑顔だった。

『可愛いなぁ』

私と瞬くんの呟きがハモる。

「ハッピーアイスクリーム!」

私は反射的に叫んだ。

「?」

「あ、つい」

私は慌てて口元をおさえる。急に恥ずかしくなって私は手でパタパタと顔を扇いだ。
意味がわからないといった顔の瞬くんに、私はおずおずと説明する。

「同時に同じ言葉を言ったらハッピーアイスクリームって言うの。先に言った方が勝ちで、負けた方がアイスを奢るっていう遊びなんだけど。もちろん奢るのは冗談で。いつも子供達とやってるから思わず出ちゃった。ごめんね、恥ずかしい」

「へぇ~。初めて聞いたけど、面白いね」

こんな子供じみたことバカにされるかなと思ったけど、意外にも瞬くんは感心したように頷いてくれた。

瞬くんは優しいな。
そう思った瞬間、何だか急に心がぽわっとなった。