よくやってくれているキャシーに、可愛い子どもたち。



「ですが陛下っ‼︎」

「ここは能無しの集まりか?やれと言ったら、やれ。これ以上の議論は無駄だと、何度言わせればわかる‼︎」

「…………承知いたしました」

「なにか意見があるなら申してみろ。今すぐその口を切り刻んでやる」

「いい、異論などございませんっ‼︎」



自分の保身に走る狸親父共や、俺に取り入ろうと必死な他国の王族。



虚勢を張り、強くあろうと務める。



この帝国で、唯一無二の王になり、民を導かならなければ、未来はない。



「陛下、グレース様がお見えです」

「グレース?通せ」



たまに仕事場に送り込まれるグレースに、先ほどまで怯えていた者がホッとするのを、俺は気付いている。



「お父様、これ、お母様と作ったの。みんなで食ーべてって‼︎」

「すごいな、グレース。お前が作ったものは何でもうまいからな」

「あまり怒ってはダメだわ。頭の血管が切れるのだと、伯爵様が言っておられたもの」

「ほぉ、どの伯爵が私を心配してそんなことをお前に吹き込んだのだ?」



ピシッと凍りついた会議場。



俺はこの世界をよくするためなら、悪魔にでも何にでもなる。



守るもののためなら、何だってするのだ。



「陛下っ‼︎皇后様がお見えですっ‼︎」

「キャサリンか?では、会議はここまでとしよう」



お前がいちばん、俺の心を穏やかにするのだよ。



私の愛しい子リス姫。



END