まぁ、それだけではないのだが。



「ノエル」

「おかえりなさいませ、皇帝陛下」

「挨拶はよい、留守中のことを聞かせてくれ」

「はい。フィンリューク様の暗殺計画の首謀者はまだ見えませんが、内通者の尻尾は掴みました」

「レイから報告はなかったが?」

「まだ確実ではないのです。先に内通者をあぶりだします」

「内密に頼む」

「見つけ出したらどう致しますか?」

「吐かせるだけ吐かせ、消せ。生かしておく義理もない。黒幕がわかればそれで用済みだ。あっ、黒幕はしっかり脅しておくように」

「御意」



俺が自ら迎えたハーフ獣人は、実は俺の隠密活動真っ最中なのだ。



キャシーにもこのことは言えないし、アレンしか知らないこと。



こうやって、何人の暗殺依頼をしたことか…。



「疲れた…」

「お休みになられてください。警護しておきますので」

「頼む、ノエル…」



また山積みの仕事と戦うのか…。



王様は、やっぱり辛いものだ…。