そこまでリュークや俺に尽くしているジェードを、俺はとても気に入ってるのだが…。



懐きすぎなのだ、愛娘が‼︎



「グレース様、レディが男と一緒に寝たいなど言うものではありませんよ」

「私、レディ…?」

「はい、とても可愛らしい立派なレディです。我慢したら…ご褒美も待ってますよ?」

「ご、ご褒美…」

「グレース様が行きたいと言っていた湖へのピクニックとか…」

「それはジェードも行くの⁉︎」

「はい、お供します。護衛ですから」

「なら、我慢するわ‼︎私、レディですもの‼︎」



なんだか、ジェードがものすごくできる男に見えてきた…。



抱き上げられて銀色の耳を撫でる娘と、うまいことあしらった獣人騎士…。



先が思いやられる…。



「陛下、これは…きっと一時的なものなので…」

「そうでなければ困る…。お前ほど優秀な騎士を子どもたちのそばから離したくはないからな…」

「すみません…」

「いや、お前は仕事をしているだけだ…」



最近ではリュークに稽古をつけてくれていると聞いたし…。



娘よ、父はとても悲しい…。