可愛がって、大事にして来てくれたジェードに懐くのは仕方ないと思っているが。



「お前はジェードと結婚できないのだよ?」

「結婚なんて、なんの意味もないわ‼︎そばにいるだけで十分です」

「どこで、そんなことを覚えたのだ…」

「ディーおば様が本をたくさんもってるので、借りて読むのです」



デイジーか…。



城の近くに新しく屋敷を建て、そこに移ったリオとデイジーには、キャシーがよく会いに行っている。



リオの娘と同い年のグレースは、それに着いて行くのだ。



お茶をして、帰って来て、ジェードにくっつく…。



学校へ行った日も、帰ってきてくっつく…。



本気かどうかはわからない。



「ジェードのフワフワの尻尾に包まれて眠りたいの。お父様、ジェードと寝てもいい?」

「ジェードは辺境の警備にでも回ってもらおうか」

「そんなことしたら、一生口を聞かないわ‼︎」



キーっと威嚇された…。



俺よりジェード…。



困った顔をしているジェードも、今では立派な騎士。



耐性付けのために毒を自ら体に取り入れたリュークと、自分も一緒にやると名乗り出た。



アレは相当な苦しさと痛みを伴うし、命を狙われていなければ絶対やらないこと。



なのに、ジェードはリュークをひとりで苦しませるわけにはいかないと。