父が王をやめ、俺が王になってからいろいろとあった。



俺よりも恐れられていたと思う父が玉座にいないというだけで、他国に攻め込まれた。



やっと父が手に入れた細い希望の糸が、あっさりと断ち切られた気分だった。



そんなこと、許すはずもなく。



荒れに荒れたなぁ…。



もちろん、城の中に間者や暗殺者を送り込んできたし。



おかげで俺とリュークは死に掛けた。



毒を盛られて、しかもそれがキャシーがやったかと思わせるように仕向けられていたり。



やらせたくなかったリュークへの毒への耐性付けをする羽目になった。



本人は平気そうな顔をしていたが、とても辛いし、一歩間違えば死んでしまうような行為。



何かあっては困ると、キャシーが毎回の付き添っていた。



なので、そこら辺で入手できるような毒は
俺やリュークにはほぼ効かないのだ。



「陛下、あの…その…」

「どうした、ジェード…………離れなさい、グレース」



娘が騎士に惚れていることは明確だ…。