年々つわりがキツくなって行った妊娠期間。



子どもはかわいいけれど、もう体型が崩れるのも怖いので。



皇帝陛下の妻として、やっぱり少しでもスタイルは維持しておきたい。



それでなくとも小さいのに…。



「赤ちゃんできるのヤダ…」

「俺ももういいと思ってる。宰相もさすがに黙ったし。できないようにすればいいのだな」

「そんなこと、できるのですか?」

「あぁ」

「そう、ですか…」



実家に帰って来て、なんて会話をしてるの、私たち…。



まぁ、アンドリュー様は忙しすぎてそんなヒマないかもね。



この里帰りだって公務な訳だし。



お城勤めの人員を大幅に増やしたし、アレン様、ファーガス団長の昇格や各部署の設立。



廊下を歩きながらも仕事をしている状態のアンドリュー様ですもの。



激務で死にそうになって、何度癒したことか…。



だから、少しでもゆっくりしてもらわなきゃ。



滞在する部屋のベランダで、アンドリュー様に抱きついた。



「ここにいて海を見ていると…いつ死んでもいい気になる…」

「死なれると、私が困ります」

「ん、そうだな…」



私より先に死なないで。