立派になったのね、リチャード…。



シュナウトでお城に居候していた頃とは別人のように大人っぽくなった。



「王に、なるのね…」

「えぇ、これもまた見習わないとね。皇帝陛下を」

「はははっ…忙しいばかりでなにもいいことはないわよ…」



シュナウト王国は、シュナウト帝国になったのだ。



統一したと言っていたけれど、完全ではなくて、急に他国に攻め込まれたり、マリアンヌ様の母国が戦争をしようとしたり。



他国同士で揉めたりと、なかなかうまいこといかなかったのだが…。



アンドリュー様が本気で怒ったようで。



一気に収束した争い事で、シュナウトは帝国へとなったのだ。



その時に連れてきたのが第4妃のハーフ獣人。



ジェードと同じ理由。



小国の姫も、貧しい国のお姫様だし。



とにかく、差別や貧困をなくすために尽力中なのです。



「やぁ、フィンリューク。ますます父親に似てきたね」

「お久しぶりです、リチャード殿。あっ、リチャード陛下か」

「いいよ、敬称なんかどうだって。それで?魔力の調整はどうかな?うまくいってる?」

「今のところなんとか」



魔法に詳しいリチャードには、リュークの魔力の相談をしていたのだ。