下の子たちはお留守番で、現在船でマリーナルへ向かっている。



父がリチャードに王位を譲る日が来たのだ。



どうやら、若くして王になったアンドリュー様の姿と、隠居生活を満喫中の前王の姿に影響を受けて、まだ23歳の息子に国を丸投げした。



そのパーティーのため、大嫌いな船に揺られているわけです…。



「リューク、私の魔法であなただけでも…」

「お願い、母上…」



光の魔法でリュークを癒すと、みるみるうちに回復したようだ。



誰にも受け継がれなかったこの光の魔法。



リュークには風と水、それに闇の魔法が備わっている。



まだアンドリュー様のように瞬間移動はできないが、物の移動はできるようになったらしい。



そして、とても魔力が強いのだ。



それはリュークだけではなく、グレースや他のふたりも。



私たちの子どもなので、仕方がないようで。



リュークは魔力が強すぎるとのことで、昔アンドリュー様が着けていたピアスを両耳に着けている。