なんか窓から黒いのが来たのだが…。



「息子のアンドリューだ。よろしくし頼む」

「御意」



は?



よろしくって、なに…?



だから、誰?



「レイは私の…隠密とでも言えばわかるか?王が直々に雇っている秘密裏の組織があるのだ。私もよく命を狙われたのでな、何度も助けられた」

「普段はどんなことを…?」

「密偵に護衛と言ったところか。頼めばなんでも。私が手の出せないことなんかは」

「わかりました、わかりました…」



要するに、プロの暗殺者か。



まぁ、そう言ったことに使うつもりはないが。



今は平和になりつつあるのだから。



「アンドリュー王太子殿下でございますね。陰ながら見守らせていただいておりました」

「それは父の指示で?」

「はい」



全く気づかなかった…。



俺が他国へ行った時なんかは、ずっと着いてきていたらしい。



まぁ、俺は監視されて生きていてもおかしくないと思いながら育ったが…本当に監視されていたとは…。



「好きに使うといい」

「王になったら、ですね」

「あぁ、今は私のものだ」

「はははっ、恐ろしいお方だ」

「お前ほど魔法に長けておらんからな。これでも必死で虚勢を張ってきたのだぞ」



父も苦労してきたようだった。