夜になって父と酒を飲む。



「まさかこんな日が来るとは」

「そうですね。私もこんなに穏やかに酒を酌み交わすなんて一生ないと思ってましたよ」

「すまないな、アンドリュー。それと、お前が王になったら、私は離宮に移ることにする」

「えっ?どうして…」

「私がここに居座っていたら、お前も妃も居心地が悪かろう。あちらで妻たちとのんびり過ごすことにする」



離宮は王都ではなく、自然豊かな場所に建てられている。



かなり大きな城で、何処かへ行く時に滞在したりしていたが…。



「宰相はそのまま残してくれ。アレはよくやってくれている。息子のアレンでは、まだ荷が重かろう?」

「そうですね。アレンには宰相の補佐を任せようかと」



ファーガスも王宮警備隊の隊長から外し、近衛騎士団の団長として俺についてもらうつもりだ。



王宮警備隊にして置くにはもったいない男だと思っている。



「それと、これは王になった者と宰相しか知らないことなのだが…レイ」

「はい」



は…?



お前、誰…?