事務的な仕事を手伝うようになったファーガスは、とても使える男。



アレンの雑務に始まり、書類の整理に伝達係。



たまに仕事をサボろうとするリオのお目付役のようなこともしてくれていて、本当に助かっている。



「行きましたか、アレン」

「世話の焼けるやつだ。あんなにウブなヤツではなかったような気がするのだが?」

「本気と遊びの違いでしょう。昔からモテましたしね。殿下は高嶺の花で、アレンは頑張れば手が届く存在」



そうだったのか。



恋人がいたという記憶はないが、一時遊んでいた時期もあった。



本気、か。



「俺も本気なのだが…」

「えっ?ケンカでも?」

「リュークが生まれてからほとんど触れていない…」

「早くふたり目作ってくれなきゃ、また宰相と陛下が騒ぎ出しますよ…」

「まだいいだろ…」

「そう思っているのは殿下だけです。ちなみに、そこにあるの、側妃候補の令嬢リストですから」



もう勘弁してくれ…。