いつもグレーのメイド服に身を包むリーナのこういう姿は初めてだ。



リッカー国へ行った時は大胆な水着姿を平気で披露していたのに、ドレスを着ていて照れている…。



「あのっ、おかしく、ないでしょうか…」

「いや、その…いつもと違って…慣れないな…」

「アレン様も、なんだか別人のようで…」

「…………お互い様ってことで」

「ふふっ、そうですね」



いや、褒めろよ。



何照れあってるんだ。



「では、代理としてよろしく頼む。今日の仕事は夜会のみで、その後は好きにしてくれて構わない」

「へっ⁉︎」

「父上に呼ばれているのでな。たまには酒でも飲もうと。キャシーはリュークと眠るのだろう?もう、仕事もないし、帰って来なくても全く支障はない。以上」

「いや、帰ってって…アン…殿下もご冗談を言うのですねー、はははっ…」



少し焚き付けてやらなければ、進展しなそうなのでな。



根性を見せろ、アレン。



童貞でもないくせに、今更純情ぶってたら拗らせて終わりではないか。