花嫁のデイジーが華麗に踊る姿は、さすがシュナウトのお嬢様だと感心した。



暖かい眼差しと、たくさんの祝福の声に包まれ、リオ様もとても幸せそう。



「では、踊りますか?」

「よろこんで」



久しぶりのアンドリュー様とのダンス。



体が鈍ってるのは、最近リュークのお世話ばかりしていて、こういう動きに慣れていないからだろう。



「こいういのもたまにはいいな」

「キツいです…。明日は筋肉痛だわ…」

「キャシーなのに?」

「私なのに…」

「いいではないか。最近では滅多に踊らないのだ」



こうしてると、日頃の慌ただしさを忘れそう…。



こんな時間もたまには必要なのかも。



「今日はお忙しいのですね」

「ゆっくり眠る暇もない」

「今だけゆっくりしましょう?」

「ダンス中だけな」



曲が終われば一緒に挨拶まわり。



「王子の顔を拝ませてもらいましたよ」

「泣いてはいませんでしたか?」

「年寄りに囲まれても平気な顔をしていましたよ。殿下にそっくりな王子ですな」



フィンリュークも、ちゃんとお仕事をしてるみたいです。