その後も私達はホテルの中の施設を一通り見て回り、とうとう最上階の50階まで来ていた。

見学を始めたのがちょうど昼だったのに、もう夕方だ。


しかしこのホテル、まるで小さな街だ。

生活に必要な店や設備がほとんど整っている。

元々宿泊施設なのだから、寝る場所には不自由もしない。

金が掛かることを除けば。


「建物の中なのに、街みたいだね」

奈緒も私と同じ事を思ったようだ。