「あ! 駄目ですよ、まだ起きちゃ…」 「あの… 奈緒…私の連れは?」 やっとまともに口が動いた。 「あぁ、お連れの女性? あの方なら貴方より軽傷だったので、もう起きていると思いますよ。 呼んできましょうか?」 私は黙って頷いた。 看護婦が行ってからしばらくして、奈緒が部屋に入ってきた。 頭に巻かれた包帯が痛々しいが、取り敢えず大丈夫なようだ。