「梨沙ちゃんだ!」
「ほんっと可愛いよねー」
「あんな顔に生まれたかったな」

はぁ…やだな

自分で言うのもなんだけど、私は他の人よりも可愛いと思う

でも、昔からこの顔のおかげで、男子に注目され、男子が嫌いになってしまった。

「おはよう」

笑顔で挨拶してくれたのは、私が唯一気軽に話せる男子。この学校の生徒会長の笠井理人だ。

「おはよう。今日も早いね」

「仕事あるからなー」

(はぁ…今日もかっこいい)
実は、私は笠井の事がずっと前から好きだった。

見とれていると、遠くから声が聞こえてくる

「ねぇ見て!また一緒に登校してる!」
「ほんとだーやっぱり付き合ってるのかな!?」
「でも、梨沙ちゃんとならお似合いだよねー」

別に、たまたま会っただけだけど…
そう言われるのは、内心、嬉しかったりする

「ごめん、俺が話しかけたせいで」

「違うよ!笠井のせいじゃないよ」

そういう優しいところも大好きだな…。

「じゃあ、俺先行くわ!」

「うん!仕事頑張って」

今の私には、走っていく笠井を眺めることしか出来ない。

いつかこの気持ちを伝えられたらいいな…

そんなことを考えながら、教室に向かって行った。